“ひとでなし”を演じたら天下一品
藤原竜也
藤原竜也【Getty Images】
独特のオーラの持ち主であり、「ヤバいキャラ」がハマりやすい藤原竜也。代表作の1本である映画『デスノート』(2006)では、血の毛もよだつダークヒーローを名演。また、映画『るろうに剣心』では、原作随一の宿敵・志々雄真実役に抜擢され、地獄の業火を身にまとう漫画史に残る悪役を見事に具現化してみせた。
日本版ジョーカーの企画が立ち上がった場合、数々の漫画実写化作品で独自の存在感を発揮してきた藤原竜也の名前は、キャスティングの候補に挙がるに違いない。言うまでもなく、ジョーカーもまた元々はコミックを由来とするキャラクターであり、二次元のキャラクターを生身で体現するにあたり、藤原竜也ほど優れた才覚を発揮する俳優は、日本にいないからだ。
藤原竜也と悪役といえば、良心を徹底して欠いた児童殺人犯・清丸国秀を演じた映画『藁の楯』(2013)に触れないわけにはいかない。傍若無人な言動で、登場人物の殺意を駆り立てる清丸の“ひとでなしぶり”は、観客をもイライラさせるほど。怒れば怒るほど、藤原=清丸の術中にハマっていくような感覚は、我々がジョーカーーとりわけ『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーーという存在に対して抱く感覚に限りなく近い。
果たして、藤原ならジョーカーという怪奇な人物をどのように表現するだろうか。