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極地ロケで再現された迫真の映像美

『植村直己物語』(1984年)

<div>西田敏行【Getty Images】</div>
西田敏行【Getty Images】

監督:佐藤純彌
脚本:岩間芳樹
出演:西田敏行、倍賞千恵子、井川比佐志、古尾谷雅人、左とん平

【注目ポイント】

 日本人として初めてエベレスト登頂に成功したほか、世界初の5大陸最高峰登頂、犬ぞりによる北極点到達など偉業を成し遂げ、1984年のマッキンリー登頂後に消息不明となった登山家・植村直己の生涯を描いた作品だ。

『人間の証明』(1977)、『野性の証明』(1978)、『未完の対局』(1982)など当時、大作を次々と手がけてきた佐藤純彌監督がメガホンを取った。佐藤監督と西田敏行はその後『敦煌』(1988)でも再タッグを組んでいる。

 極地ロケを行うために当時の一流の登山家が集められたことも話題になり、リアルな山岳シーンは見応えがある。植村直己の生涯はすでに広く知られており、観客の多くは物語の結末も当然知っているわけだが、力強い演出と緩急をつけた西田の演技で140分間を飽きさせず見せ切る力作となっている。

 なお、西田敏行は渡辺謙とW主演した『陽はまた昇る』(2002)や『はやぶさ/HAYABUSA』(2011)にも出演しており、実話ベースの映画化作品に欠かせない存在であった。

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