喜劇の達人ぶりを堪能できる逸品
『任侠学園』(2019年)
監督:木村ひさし
脚本:酒井雅秋
原作:今野敏
出演:西島秀俊、西田敏行、伊藤淳史、葵わかな、葉山奨之、池田鉄洋、佐野和真、前田航基、戸田昌宏、猪野学、加治将樹、川島潤哉、福山翔大、高木ブー、佐藤蛾次郎、桜井日奈子、白竜、光石研、中尾彬、生瀬勝久
【注目ポイント】
『釣りバカ日誌』や三谷幸喜作品『ステキな金縛り』(2011)、『清須会議』(2013)などを引き合いに出すまでもなく西田敏行は喜劇の達人である(山田洋次監督は西田の訃報を受け、彼を“喜劇のヒーロー”と評した)。そんな喜劇路線と『ゲロッパ!』以降『アウトレイジ』シリーズ(2010~)など、なぜか演じることが増えたヤクザの親分キャラが重なったのが本作。
西島秀俊とのW主演作品であり、西田敏行にとっては最後の主演映画となった。今野敏の人気小説シリーズの映画化だが、このシリーズは昔気質の任侠道を生きるヤクザが病院や書店、楽団などの立て直しに挑むものとなっている。
社会貢献に熱心な阿岐本組組長の雄蔵(西田敏行)は、次から次へと厄介ごとを引き受けてしまう。そんな彼が挑むのは、経営不振に悩む高校の立て直し。西島秀俊演じる阿岐本組ナンバー2の日村は学校に良い思い出がないのでどうにも気が進まない…といった筋書きだ。
西島秀俊もコメディがはまる役者ということもあって、西田敏行と並ぶと面白さが2乗された。西田敏行は本作でも歌声を披露、東京スカパラダイスオーケストラと組んで尾崎紀世彦の大ヒット曲「また逢う日まで」をカバーしている。