石原さとみの最高傑作は? 「役」と同化する演技の秘密を徹底解説。ガチファンが「全盛期は今!」と断言する理由とは?
text by かんそう
ドラマ『アンナチュラル』をはじめとする様々な作品に出演し、卓越した演技で視聴者に強い印象を与える石原さとみ。2024年に公開された映画『ミッシング』では、徹底した役作りが話題となった。今回は、石原さとみが演じるキャラクターは、なぜ観る人の記憶に残るのか、代表作を振り返りながら、その魅力を徹底解説する。(文・かんそう)
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【著者プロフィール:かんそう】
2014年から、はてなブログにてカルチャーブログ「kansou」を運営。記事数は1000超、累計5000万アクセス。読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る。クイック・ジャパン ウェブ、リアルサウンド テックなどの媒体でライター活動を行うほか、TBSラジオで初の冠番組『かんそうの感想フリースタイル』のパーソナリティも務め、2024年5月に初書籍『書けないんじゃない、考えてないだけ。』を出版した。
石原さとみの出世作『Ns’あおい』
誰かに「石原さとみの全盛期は?」と問われた時、石原さとみファンの私は「今である」と自信を持って言い切ることができる。そして、これまでの石原さとみの歴史があるからこそ。彼女の出演作をいくつか振り返りながら、その魅力を紐解きたい。
まず石原さとみ史における最初の出世作と言えば、2006年に放送されたドラマ『Ns’あおい』(フジテレビ系)だろう。問題だらけの内科病棟に配属される新人ナースの奮闘を描いたドラマで、患者の命を救うためなら看護師として制限されている医療行為にも手を出す美空あおいを演じた。
そんなあおいの、1点の曇りもない真っ直ぐなキャラクターと、当時の石原さとみが持つ透き通った透明感がバチッと噛み合った最高の作品だった。この石原さとみを見た瞬間から、私は石原さとみの虜になってしまった。
それから7年後、2012年に小栗旬とダブル主演を務めたドラマ『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)で再び石原さとみに心臓を打ち抜かれることになる。小栗旬演じるワンマンIT社長・日向徹とぶつかり合いながらも徐々に惹かれ合う就活生・夏井真琴を演じた。