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イメージと真逆のサイコパスな笑顔が素晴らしかった

櫻井翔『家族ゲーム』(2013、フジテレビ系)

櫻井翔【Getty Images】
櫻井翔【Getty Images】

原作:本間洋平『家族ゲーム』
脚本:武藤将吾
出演:櫻井翔、神木隆之介、忽那汐里、浦上晟周、板尾創路、鈴木保奈美

【作品内容】

 沼田家には、2人の息子がいる。長男の慎一(神木隆之介)は、文武両道でクラスの人気者。その一方で、次男の茂之(浦上晟周)は、学校でいじめられて不登校になってしまった上に、成績も悪い。

 そんな沼田家にやってきた東大合格率100%の天才家庭教師・吉本荒野(櫻井翔)は、突拍子もない言動で周囲を翻弄する予測不能な変人だった…。

 吉本は、心を閉ざしている茂之を、どのように更生させるのか? そして、真の問題児・慎一が抱える闇とは? 

 不気味で何を考えているか分からない吉本が、家庭教師という仕事を通して、沼田家を変えていく“教育”と“家族”のドラマ。

【注目ポイント】

 爽やかな好青年というイメージがあった櫻井翔が、不気味で何を考えているか分からない家庭教師に扮する…というだけでも、世間に大きなインパクトを与えていた。わたしのなかでは、ドラマ放送前に流れていたテレビCMがいまだに胸にこびりついている。

 まず、吉本荒野に扮している櫻井翔が、カメラの前で面倒くさそうに手をいじりながら、「生徒の成績なんて、どっちだっていいんですよ。育てるより、壊す方が得意なんですから」とつぶやく。しかし、「本番!」という声がかかると、「僕と一緒に夢を叶えよう!」と一気に爽やかスマイルに。ドラマ本編でも、このような櫻井翔のサイコパスっぷりを楽しむことができる。

 わたしがこのドラマを通して学んだのは、“想像力”の大切さだ。人の気持ちを考えるだけでなく、行動一つひとつにきちんと責任を持ち、「これをしたらどうなるのか?」と想像を膨らませる。吉本の教育方針は危うく、「これって、ギリギリのラインでは?」と思うこともあったけれど、こんなにもまっすぐに向き合ってくれる先生がいるって、いいなと感じる瞬間もあった。

 櫻井翔が演じる吉本荒野の魂の訴えに、ぜひ注目してもらいたい。

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