役を“生きている”ような演技がスゴかった
二宮和也『流星の絆』(2008、TBS系)
原作:東野圭吾
脚本:宮藤官九郎
出演:二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香、要潤、尾美としのり、設楽統(バナナマン)、桐谷健太、麻生祐未、国広富之、齋藤隆成、嘉数一星、熊田聖亜、森下愛子、中島美嘉、柄本明、りょう、寺島進、三浦友和
【作品内容】
東尾圭吾による本格ミステリーのドラマ化。小学生のときに、両親を何者かに殺された3人の兄妹。3人はそれ以来ずっと、兄妹の絆だけを頼りに生きてきた。
事件から14年が経過し、時効を迎えようとしていた時期に、両親が殺害された時間に家から出てきた人物と似ている人を見つけて…。
真犯人を捕まえるべく、功一(二宮和也)、泰輔(錦戸亮)、静奈(戸田恵梨香)の仲良し3兄妹は奮闘していく。
【注目ポイント】
「やっぱり、ニノは演技がうまい」と再確認させられた『流星の絆』。ネタバレになるので詳細は控えるが、最後に真犯人と対峙するシーンの二宮の演技は、いまだに脳裏にこびりついて離れない。彼の演技は、“演じている”というより、その役を“生きている”という感じがするからこそ、こんなにも惹きつけられるのだと思う。
事件の真相を考察するだけでなく、3兄妹の絆や、3人の関係性に隠された“秘密”にもぜひ注目してもらいたい。「大人になったら、犯人探して3人でぶっ殺そうな」という台詞が出てきたりと、基本的にはシリアスな展開ではあるのだが、宮藤官九郎脚本ということもあり、クスッと笑える掛け合いも入ってくるので、バランスがいい。
『流星の絆』を観たら、きっと多くの女性は「しぃ(=静奈)になりたい…」と思うことだろう。2人の兄たちに溺愛されている静奈が愛らしいし、静奈をまるで壊れものかのように大切に守っている兄たちはかっこいい。まだ観たことがない人は、最後の最後、真犯人が判明したときの衝撃を、ぜひ味わってもらいたい。