陽だまりのような繊細な表現
相葉雅紀『マイガール』(2009、テレビ朝日系)
原作:佐原ミズ『マイガール』
脚本:大島里美、荒井修子、高橋麻紀
出演:相葉雅紀、優香、石井萌々果、村上信五、北村有起哉、山崎樹範、平岩紙、松本拓海、井村空美、日村勇紀
朝加真由美、山崎一、室井滋、八名信夫、大森暁美
【作品内容】
学生時代に交際していた恋人・陽子(優香)が目の前から姿を消して、6年。彼女のことを今も忘れられずにいる正宗(相葉雅紀)は、写真スタジオでカメラアシスタントとして働いている。
そんなある日、陽子が事故死したという知らせが正宗のもとに届く。葬儀に行くと、そこには正宗と陽子の子どもだというコハル(石井萌々果)がいて…。
失った恋人を忘れられない正宗と、亡くなった母親を忘れたくない少女。一緒に暮らし始めることにした2人は、陽子という大切な存在を介して少しずつ心を通わせていく。
【注目ポイント】
ほんわかした陽だまりのような空気感を纏っている相葉雅紀。その魅力が、『マイガール』という作品で全面に生かされていたように思う。ずっと好きだったのに、急に別れを告げられてしまった元恋人・陽子(優香)。彼女が突然死んでしまっただけでも、かなり苦しいはずなのに、陽子が遺した娘・コハル(石井萌々果)は、自分との間にできた子どもだったなんて…。
いきなり、5歳の少女の父親になることになってしまった正宗の苦悩や、コハルへの愛情が徐々に芽生えていく様子を、相葉は繊細に演じていた。最初の方は、頼りない雰囲気だったのに、だんだんと父親になっていく過程をリアルに体現していた。
正宗の他人を思いやる気持ちは、相葉が持っている優しさにリンクしていたように感じる。個人的には、嵐が歌う主題歌「マイガール」が、正宗の陽子に対する気持ちが込められているような気がして好きだ。主題歌がかかるタイミングにも、ぜひ注目してみてほしい。