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”相棒史上最悪の結末”

シーズン13「ダークナイト」(第19話)

成宮寛貴【Getty Images】
成宮寛貴Getty Images

放送日:2015年3月18日
脚本:輿水泰弘
犯人役:成宮寛貴

【注目ポイント】
 こちらの選出理由は”相棒史上最悪の結末”だからに他ならない。

 法律で裁けない悪人を狙った連続暴行事件が発生する。

 犯人は”ダークナイト”と呼ばれ、ネット上ではヒーローのような扱いを受けていた。

 そんなダークナイトが汚職議員を殺害してしまう。犯人は種村(瀧川英次)という男で自身がダークナイトで正義の鉄槌を下したと開き直る始末。

 そんな中、種村は何者かの手引きで脱獄し、潜伏先で本物のダークナイトに半殺しにされてしまう。

 単独で捜査を行う右京は、3年間連れ添った”相棒”甲斐享(成宮寛貴)こそが本物のダークナイトだと結論付ける。
 
 カイトには、親友である梶の妹が薬物中毒者に殺害される辛い過去があった。犯人は薬物の影響で心神喪失が認められ無罪。カイトは、仇討ちをしようとする梶を止めるため、先んじて犯人を半殺しにして梶の溜飲を下げた。

 この事件が”ダークナイト”の始まりでもあった。

 カイト自身、もちろん葛藤はあった。しかし、世間の賞賛に心地良さを覚えたのも事実。また、カイトの父・峯秋(石坂浩二)は右京の苛烈な正義感に触発された末の行動ではないかと推測する。

 “特命係は人材の墓場”…。自分の性分に愛想を尽かした右京は無期限の停職となったこともありイギリスへ旅立とうとする。カイトは空港にて実況見分の名目で右京を待っていた。そして、涙を流し謝罪をするカイトに右京は再会を約束する。

 放送当時のSNSは阿鼻叫喚の嵐であった。

 3年間右京と共に過ごしてきた甲斐享が布石や伏線も無く最終回で連続暴行犯とされ逮捕される結末。しかもカイトの婚約者である悦子(真飛聖)は、妊婦中の身で白血病を患っており、支えが必要な時期に夫が逮捕されるという救いのなさである。

 苛烈な正義感を持つカイトの性分は本エピソード以前から描写されており、人物造形の面で矛盾はない。それでも急な設定でカイトが逮捕されることを受け入れるのは難しく、筆者も飲み込むのに数年はかかった。

 その後、悦子は回復し息子も産まれたが、カイトは未だ収監中である。いつか息子との対面や右京との再会シーンが観たいと心の底から願う。

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