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ちょうどいい“うざさ”で物語にスパイスを加えた女優

さとうほなみ『無能の鷹』(テレビ朝日)

さとうほなみ
さとうほなみ【公式Instagramより】

 デキるオーラを醸しながら、実は無能なヒロインが主人公のお仕事コメディドラマ『無能の鷹』に出演しているさとうほなみ。コメディとあって作品自体に明るい空気が漂う本作で、さとうは社内相関図を完璧に把握している営業部の社員・鵜飼を演じる。

 鵜飼は出世のためにと仕事に没頭し、夜は同僚たちと馴染みの店で酒を酌み交わす。時代的にはやや古いタイプの会社員かもしれないが、仕事に対する熱や酔い潰れたときの“うざさ”がちょうどいい。

 また、同期とふとしたきっかけで仲違いしたことから露呈する予想外の繊細さや、仕事はデキるのに男運は悪いという“いかにも”な設定にも、妙に説得力があるのだ。

 鵜飼メイン回となった3話では、クライアント相手に会議室で突如ラップを歌い出すという場面もあった。「ゲスの極み乙女。」のドラマーとして音楽活動をしていることもあってか、さすがのリズム感を見せるなど、振り切った演技も清々しい。物語のスパイスとしての役割も果たしつつ、いそう! と思わせる現実味も併せ持つバランス感覚がさとうの強みだろう。

 実はABEMAで放送されたドラマ『30までにとうるさくて』以降、ここ2年ほどドラマや映画への出演が続いているさとう。バイプレイヤーとしての活躍が期待される。

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