②登場するバトルシーンが実写にするには過激すぎる
冒頭の有名なバイクチェイスシーン。鉄雄の暴走。金田と鉄雄の有名なバトルなど『AKIRA』はアクション満載のアニメ作品である。
本作のアニメ映像を見ていると、まるで激しいジェットコースターにでも搭乗したかのような、クセになる刺激を受け続ける。
作中では「アニメ」という、現実と乖離した世界を最大限に活かして、そんな激しいアクションシーンや、鉄雄の暴走を表現する。もし『AKIRA』を実写化するなら、そんな過激なシーンに含まれる芸術性や物語の本質を失う可能性が出てきてしまうため、多くの工夫が必要となるのだ。
③パンチの弱い実写版『AKIRA』は誰も望んでいない
パンチの弱めな『AKIRA』など誰も欲しがっていない。つまりストーリーの内容の一部を維持しながら、実写で特別に新しいシーンを追加、または削除して製作されるような、印象弱めな映画作品に仕上がるのなら、始めから実写版『AKIRA』を作る意味などない。
『AKIRA』は起承転結がはっきりしている物語だ。
これまでにも、アニメ実写化で設定やルールを大幅に変更された作品はいくつか存在する。例えば映画『ドラゴンボール EVOLUTION』。本作の内容は、アニメ『ドラゴンボール』のストーリーとは全く異なる。
他にもNetflix制作の海外版映画『デスノート』では、ライトとLの衝突を忠実に再現しているが、物語のテンポを大きく変更。いずれの場合も、原作ファンから不評を買った。
『AKIRA』実写化で、こうした作品が生み出されるのであれば、最初から制作される必要がないのだ。