⑥製作そのものに多大な時間が掛かる
実写版『AKIRA』の製作が始まらないまま、結局20年以上が経過しているのは、このプロジェクトを行動に移すことがいかに複雑で困難であるかを示している。
適切な脚本があったとしても、プリプロダクション(撮影に入るまでの準備期間)から視覚効果まで、どんな監督でも多くの時間を要することが予想できる。
もし、タイカ・ワイティティ監督が本作製作に力を込めれば、彼のキャリアの数年間を、このプロジェクトに捧げることになるのだ。
⑦フランチャイズ作品になることがない
大作映画の製作においては、その作品が続編に繋がるかどうか、言わばその作品の「フランチャイズ・ポテンシャル」が重要なキーとなる。
経済的な観点から見ると、次に繋がらない1作品完結型の映画を製作するよりも、続編に繋がる映画にお金を投資する方が合理的である。
その点『AKIRA』は、続編やスピンオフ作品なしで完結する物語であって、『AKIRA2』の存在はないし、鉄雄のスピンオフ作品はファンの夢を壊しかねない。
膨大なお金や時間が掛かるが、続編の作品が製作できないのは、実写化が製作されない大きな要因かもしれない。