⑧『AKIRA』は既に完璧な作品である
漫画のストーリーを実写化するのとアニメを実写化するのとでは、大きな違いが存在する。実写版『AKIRA』は、アニメ作品『AKIRA』のリメイクであることを念頭に入れる必要がある。
つまり『AKIRA』という作品は既に完璧と言える作品であり、実写化によってその物語をより良い形に変化させることは、非常に困難なのだ。
ディズニーの古典的アニメ作品の実写リメイクも、同様の課題に直面しており、その評価は常に賛否両論の意見を生んでいる。
『AKIRA』の未来的であり終末的でもある舞台設定は、映画『ブレードランナー』のような視覚的に美しい映画の製作が可能となることだろう。
同様に、実写版ではアニメより現実味のあるバイクシーンや、鉄雄と金田の激しい戦いなど、興奮のアクションシーンを視覚効果盛り沢山で、再現できる可能性もある。
しかし、いくら人気アニメが原作であろうと、興行的に大成功するかはどうかは定かではない。だからこそ、『AKIRA』の実写化では、経済的な部分も含めて、製作のバランスを見つけることが難しいのだ。
アニメ作品の映画化は大半の場合、失敗に終わることが多い。ディズニーも現在アニメ作品を実写化する動きが見られるが、その結果は微妙なものの場合が多い。
そのためそのアニメ作品実写化の波に『AKIRA』を乗せることはワクワクもするが、ファンからすると非常に迷惑と言えるかもしれない。
【関連記事】
映画『AKIRA アキラ』のすごさとは? 世界中で評価される理由を3つのポイントから徹底解説【あらすじ 考察 解説】
最も偉大なアニメ映画は? 日本が世界に誇る傑作アニメ5選。新海誠やジブリだけじゃない。邦画界屈指の天才アニメーターが集結
宮崎駿と鈴木敏夫が絶賛した声優とは? 映画『もののけ姫』徹底考察。ハンセン病とこだまの意味は? 舞台と壮絶な最後を解説