『スター・ウォーズ』との共通点
結果として本作『エイリアン:ロムルス』はシリーズ作品に細かく気を配ったファンムービーであった。
とくに監督がインタビューで本作を「原点回帰」と語っているように第1作である『エイリアン』への愛情はとても強い。第1作と同様のタイトルカットから始まり、映画に登場するモニターや機械類の小道具のデザインも同じ、また故イアン・ホルムが演じたアッシュと同型のアンドロイドも登場する。
そして極めつけは本作が1979年の『エイリアン』の後日譚であり、かつて僕をコタツのなかで震え上がらせた初代ゼノモーフも登場するのである。
また、リドリー・スコットが自らメガホンを取ってシリーズの方向性を良くも悪くも決定づけてしまった前日譚の『プロメテウス』(2012)と『エイリアン:コヴェナント』(2017)からのアイテムも登場させるなど、フェデ・アルバレスは“エイリアンユニバース”へ配慮も怠らない。
本作にはそのほかにエイリアンシリーズに関する大小様々なイースターエッグがたくさん散りばめられており、何度もファンをニヤリとさせる。
またリプリーの娘アマンダが主人公となるビデオゲーム『エイリアン:アイソレーション』(2015)までもチェックしているだろうシーンも見られ、本シリーズへの深いリスペクトと心意気に「おお、わかってるねぇ、これだよこれ」とファンとしては嬉しくなった。