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『スター・ウォーズ』との共通点

『エイリアン:ロムルス』大ヒット公開中! (c)2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
『エイリアン:ロムルス』大ヒット公開中!(c)2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 エイリアンシリーズに対するリスペクトが見られた本作だが、ある意味でリドリー・スコットが先の2作によって後付けで加えてしまったシリーズのメインストーリーを強く意識してか、大きな物語の転換や物語のツイストがなく、シリーズのお約束・お作法による予定調和で物語が展開してしまう。

 そのため『エイリアン:ロムルス』はオリジナル第1作の枠からはみ出さないように恐る恐る作ったかのような、なんとも萎縮した印象を強く感じさせる。ただファンをニヤリとさせ続けるだけではダメなのである。

 実は筆者は過去にも同様の感情を持った作品に出会っている。それは『スターウォーズ/フォースの覚醒』(2015)である。この作品もまた、「おお~(監督の)J・J・エイブラムスわかってるね~」と思いながら観たあとに、第1作「エピソード6」と物語がまったく同じであることに気づいて愕然としたのであった。

「シリーズ作品として、つまらなくはないが、面白くもない」

『エイリアン:ロムルス』は、まさにこのスターウォーズ新3部作と同じ感想に着地してしまった。

 リドリー・スコットから始まったものの、その後はエイリアンを題材に監督の個性を発揮する場(作品)であった本シリーズ。しかし後年にリドリー・スコット自身によって物語の枠に収まってしまったことで新作を彼以外の監督が務めることが難しくなってしまったのだと本作を通して感じた。

 長年続くシリーズ作品にはどこかで「原点回帰」という言葉で装飾された作品が登場するのは常ではあるものの、この言葉はオリジナルを超えた作品に向けた言葉ではないのである。

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