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13歳・中須翔真の芝居が凄まじい… 心を揺さぶる衝撃のラストとは? 映画『かくしごと』徹底考察&評価レビュー

text by 寺島武志

『生きてるだけで、愛。』(18)で鮮烈な長編監督デビューを飾った映像クリエイター、関根光才の待望の2作目『かくしごと』が全国の映画観で公開中だ。ミステリー作家・北國浩二の小説『噓』を、俳優・杏を主演に迎えて映画化した本作のレビューをお届けする。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】

※この記事では原作と映画のクライマックスについて言及があります。

豪華キャストが綴る重厚な人間ドラマ

©2024「かくしごと」製作委員会
©2024かくしごと製作委員会

 本作は、SFやミステリーを得意とする北國浩二の小説「嘘」を原作に、広告会社時代にカンヌ国際広告祭を獲得するなど、非凡な映像センスを持ち、長編映画監督デビュー作『生きてるだけで、愛。』(2018)では新藤兼人賞銀賞を受賞し、映画監督としてもその才能を開花させた関根光才の監督・脚本によって描かれたヒューマンミステリーだ。

 キャストも、主演の杏をはじめ、奥田瑛二、安藤政信、酒向芳、丸山智己などといった一流俳優が名を連ね、重厚なドラマを綴っていく。

 絵本作家の千紗子(杏)は、自身が学生結婚したことが原因で不仲となった父・孝蔵(奥田瑛二)と絶縁状態にあったが、孝蔵の認知症進み、母も亡くなっていたため、ただ1人の肉親である千紗子を介護するために、渋々と故郷の長野に戻る。

 仕事はリモートワークで何とか凌ぐが、一刻も早く、東京に戻る旨を、旧友の久江(佐津川愛美)に明かす。

 父の孝蔵は、当然のことながら、千紗子に関する記憶もなく、母の遺影を見せても思い出せない始末。それでいて、ライフワークとしている仏像彫刻の際には、人が変わったかのような集中力を見せる、不思議な人物だ。

 古くからの友人である医師の亀田(酒向芳)だけが、孝蔵の唯一の理解者だ。

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