「うちのパパとうちのママが♪」を流行させたのは、
『ブギウギ』のタナケンのモデル・榎本健一
さて、寅子と学友たちとの青春テーマソング化していたのが、「うちのパパとうちのママが♪」という、少々ヘンテコな歌詞の歌である。
この歌は、「モン・パパ」という曲。歌っていたのは、当時大人気だった歌手の二村定一と榎本健一の二人である。宝塚歌劇団でも歌われたが、当時大人気だった歌手の二村定一と榎本健一の二人も歌い、大ヒットした。榎本健一こと「エノケン」は一つ前の朝ドラ「ブギウギ」で生瀬勝久さんがいい味を出して演じていた「タナケン」のモデル。なんともさりげない『ブギウギ』とのリンクである。
男尊女卑だった当時、「暴れて怒鳴るはいつもママ ハゲ頭下げるはいつもパパ」など、コテンパンにパパがやられるシーンを歌ったこの「モン・パパ」は、どう聞かれていたのだろう。多くの女性が男性に手柄を取られても悟ったように「すん……」と諦める顔を嫌っていた寅子にとって、心の応援歌だったのかもしれない。
「胸ぐらを取るそれはママ パパの体はゆれるゆれる クルクルとまわされる」というサビの歌詞は、体勢こそ違うが、プロレスのジャイアントスイングを想像させ、なかなかの迫力だ。