花岡よ死なないで…。
6月の『虎に翼』予想
6月からはいよいよ「裁判官編」がスタートしているが、史実と照らし合わせ、気になるのが花岡悟(岩田剛典)の今後である。
花岡は直言が死に際で「花岡君が良かったなぁ」と呟くほどの、顔良し、頭良し、家柄良し、性格良しの罪な男である。
この花岡のモデルは、終戦後、主に闇米等の食糧管理法違反を担当していた裁判官、山口良忠氏という説がある。この山口氏はとても真面目な人で、法律で禁止されている闇米を、法の番人である自分が食べてはいけないと拒否。配給のほとんども子供に分け与え、33歳で餓死してしまう。
そ、そんな……。いやいや、あくまでもモデルで、花岡さんは大丈夫だろう。サブレギュラーとして今後も時折佐賀から上京し、寅子のよき相談相手になってくれる……と思いたい。ただ、気になるのが、5月16日(木)回で、寅子の前で婚約者の奈津子(古畑奈和)を紹介したことを轟に問い詰められた時の花岡のセリフである。
「もう決めたんだ。ここからは奈津子を誠心誠意愛して、何も間違わず、正しい道を進むと誓うよ」。
このときの「何も間違わず」という言葉が、気になって仕方がない。寅子への罪悪感からくるこの約束が、彼の生き方を、あまりにも極端な「正義」へと向かわせたとするなら……。
いやいや、私のカンは当たらない。戦争を生き抜き、寅子と再会する、轟、よねさん、そして花岡の笑顔を見られることを願っている。
(文・田中稲)
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