冨樫義博より少年ジャンプにて連載され、今なお世界中に多くのファンを抱える大人気漫画『幽☆遊☆白書』。この度、実写ドラマが2023年12月14日よりNetflixで独占配信された。今回は、原作漫画を愛するガチファンによるキャラクターの再現度について解説する。（文・ZAKKY）

浦飯幽助（北村匠海）は無理に原作に寄せることなく独自の魅力を発揮

本編の主人公。事故死するが、生き返る条件として、人間界に現れ始めた妖怪たちを退治する「霊界探偵」として動くこととなる。

まず、キャスティング発表・予告編を見た際に、「ま～た、北村匠海か…」とゲンナリしたのが、率直な感想である。同じく漫画原作である『東京リベンジャーズ』の主人公・花垣武道役に続き、またもや20代にして、10代の高校生役という…まあ、このあたりは他のキャストにも通じるわけであるが、ちょっと、漫画原作である実写版に北村匠海を安易に使いすぎではという、懸念があった。

…が、蓋を開けると、「さすが、北村匠海！」と唸らずにいられなかった。北村は、原作キャラクターの「～～っぽさ」を出すのが本当に上手いと思う。

幽助のぶっきらぼうかつ真っすぐな性格をにじませる素朴な表情を見事に体現。無理に原作に寄せることなく、「北村版幽助」として、実に魅力的なキャラクターを作り上げている。

また、得意のアクションシーンも見どころ。何と言うか、役柄の設定もあいまって、この人のアクションは殺陣的ではなく、本当に「喧嘩」をしているようなのだ。大ぶりのパンチで殴りかかり、どれだけボコボコにされても持ち前の根性で立ち上がる。「不良の喧嘩屋」のイメージを、見事に表現している。

そして、霊能力者で、霊光波動拳の使い手である女性・玄海師匠の元で修行をするシーンで顕著に見られるのだが、程良く引き締まった肉体は、男性からも好感度が高い（バキバキすぎないのが良い）。「そりゃ、キャスティングしたくなる！」と、冒頭で論じたことと真逆の結論に至るしかない。筆者以外でも同様の感想を抱いた人は少なくないのではないか。

次のページからは、蔵馬と飛影について記述するが、先に言及しておきたいことがある。

原作でも人気を二分する彼らは、人間的な容姿ではあっても、妖怪である。そのような前提も含めて、この2人の実写化は、ハードルが高すぎたと思う。というか、誰が演じても100％、原作ファンが納得することは不可能であり、ブーイングが多く出ていることは確かなのだが、それを踏まえた上で考察しよう。