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美羽に気づく冬月(深澤辰哉)と気づかない宏樹(田中圭)の対比

『わたしの宝物』第7話 ©フジテレビ
『わたしの宝物』第7話 ©フジテレビ

 2人が乗ったタクシーは、偶然にも横断歩道を渡る美羽とすれ違う。美羽の存在に気づく冬月と、鞄の中を探っていて気づかない宏樹。

 思えば、冬月は中学時代から美羽の心の変化に敏感だったし、再会してからも無理して笑顔を作っていたことをすぐに察してくれた。暗闇と光が差す場所でのベッドシーンや、すべてを知った宏樹といまだ何も知らない冬月など…。これまで2人はさまざまな対比がなされてきたが、今回の対比はなんだか今後の明暗を分けたように思えて、特別切なく感じる。

 美羽が初めて托卵を自分の口からカミングアウトしたのも印象的だった。真琴(恒松祐里)には母の勘で気づかれ、宏樹にはDNA鑑定で知られてしまった。

 そんな中、母・かずみ(多岐川裕美)には、涙を流しながら「栞は宏樹の子じゃないの」と伝える。娘の罪を叱責するのは、親の役目なのかもしれない。でも、もう先が長くない身体で美羽をぎゅっと抱きしめ、「美羽を叱れない」と呟くかずみの姿には、どうしても心を揺さぶられずにはいられなかった。

 かずみが亡くなり、美羽はまた1人になる。唯一救いだったのは、宏樹がかずみの入院する病院へ栞を連れてきたこと。宏樹は栞と離れたくないがために美羽を追い出したが、それはどこかで美羽に罰を与えようという気持ちがあったから。

「どれが栞にとって一番いい選択なのか」を考えるべきなのに、宏樹は美羽への許せない気持ちを優先させてしまっていた。栞が生まれたことでみるみるうちに“いい夫”へと変貌したが、宏樹自身も言っていたように根本は何ひとつ変わっておらず、家族を傷つけるあの無慈悲な宏樹のままだったのだ。

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