ホーム » 投稿 » ドラマ » 小日向文世は悪役じゃないと信じてたのに…更なるどんでん返しに期待するワケ。ドラマ『全領域異常解決室』第7話考察レビュー » Page 3

 

今の人間は神が守るに値するのか?

『全領域異常解決室』第8話 ©フジテレビ
『全領域異常解決室』第8話 ©フジテレビ

 次から次へと謎が飛び出し、気になることだらけだが、本作は、なぜ「神」が主人公なのか。

 大隈(吉田鋼太郎)や佃は怒りや悲しみなどネガティブな感情をまとわせながら、人間たちの有り様を嘆いていた。

「今の人間は神が守るに値するのか」そんな自問自答を繰り返している。

 ここでまた、神が普通に人間世界で生きている、という設定が効いてくる。佃は人間たちの心ないSNSの書き込みによって最愛の娘を失った。ルールを破り、神の力を使って人間たちを殺した。そして最終的には、この世から消えることを選んだ。長きにわたって続けてきた人間を見守るという役目よりも、20数年共に生きた娘の死のほうが彼女にとっては重大だった。

 ある意味、これはさまざまな物語で主題になる「世界を救うか、愛する人を守るか」ということなのかもしれない。

 大抵の場合は、世界を救えば、愛する人を守れる。しかし、世界を救っても、愛する人が守られるかどうかは分からない。そんな世界を守る必要はあるのか?

 人間が作った作品なのに、私たちはいま、神から見放されようとしているのかもしれない、とただならぬ危機感を覚えてしまう。神が減り、この世の平穏が損なわれていくのだとしたら、自業自得だと。

 そして気になるのは興玉が本当は何者なのかということだ。偽名を名乗って、周りにも自分の姿を隠していたという。それはいつからのことなのか? もう何千年も前から? もしかすると、彼から発せられる本音はほんの少しで、生まれ変わるたびに自分を偽り続けてきていたのだとしたら、これほど悲しいことはない。

 それにしても、小日文世は本作では悪役ではないと思っていたのに…。寿との密会は、あくまでヒルコの動向を探るためだと信じたいけれど、そう簡単でもなさそうだ…。

 とはいえ、興玉が正体を隠していたぐらいなのだから、まだまだ更なるどんでん返しが待っていそう。期待して待ちたい。

(文・ふくだりょうこ)

【関連記事】
【写真】小日向文世は本当に悪役…? どんでん返しを期待する貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『全領域異常解決室』劇中カット一覧
1話から見直したくてたまらない…全決メンバー同士の関係にときめいたワケ。ドラマ『全領域異常解決室』第7話考察レビュー
「全決」メンバーの正体が明らかに…広瀬アリス”雨野”の名言にシビれたワケ。『全領域異常解決室』第6話考察レビュー

【了】

1 2 3
error: Content is protected !!