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どんな役でも優しさがにじみ出る佐野勇斗の稀有な魅力

『マイダイアリー』第6話 ©ABCテレビ
マイダイアリー第6話 ©ABCテレビ

 佐野勇斗が演じる広海は集団になじむのが苦手で、口下手であり、万人ウケするタイプではない。とはいっても、彼の優しさは偽りのないものであり、ガラスのような透明感や繊細さ、純粋さに惹かれる視聴者は多いだろう。

 広海は見る人によって評価が大きく変わるだろうキャラクターであるが、佐野の繊細な演技やあふれでる優しい雰囲気によって応援したくなるキャラクターとなった。

 佐野といえば、2016年放送のドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系) で菅野美穂が演じた高野亜紀の息子・和樹役が思い出される。家族の前では優しい兄であるが、学校では孤立している。同作で佐野はこの少年の光と影を巧みに表現していた。

 佐野は俳優としての顔だけでなく、アイドルグループ・M!LKのメンバーとしての顔ももつ。『マイダイアリー』では表情の変化に乏しく、口下手な広海を演じているが、アイドルとしてステージに立ち、踊る彼はキラキラとしていて華やかだ。それでいて、広海のようにどこか控えめな部分が感じられるのも彼の魅力だろう。

 また、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』(NHK)では”福西のヨン様”と称される野球少年の翔也を演じている。スポーツマンの翔也は広海とは対照的に明るく、積極的で、根性がある青年だ。

 同時期に複数のドラマに出演し、個性の異なる役を見事に演じ分けている佐野であるが、いずれの役においても佐野のやさしさや、あたたかさ、芯の強さが感じられるのは筆者だけではないはずだ。

 どの役も自分のものとし、その役と一体化するところにも、彼の役者としてのすばらしさが感じられる。

(文・西田梨紗)

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