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根底にある「年齢差別」

『モンスター』第8話 ©カンテレ
『モンスター』第8話 ©カンテレ

 意外な真実とは、栗本が、被害者である清美と知り合いだったということ。清美は、栗本が以前バイトしていたスーパーの副店長だった。しかし、当時は清美という名前ではなかった。戸籍上に13歳下の妹を捏造し、その妹に成りすまして働いていたのだ。

 なぜそんなことを…という話だが、清美の本当の年齢は63歳。60歳を超えたとたん、職に就くことが難しくなってしまった。仕事がしたいのにできない、生きたいのに生きられない。そんな苦悩から犯した罪。
 
 仕事が好きな清美は、栗本にも高校生のバイトだからと軽く見ず、真摯に向き合っていた。同世代の友だちとも深く仲良くならない、周りの人間にもどこか心を閉ざしているように見える栗本も、清美には笑顔を見せていた。

 この年齢差別というものは万人に降りかかり得るものだ。就職も求人に年齢制限は書かれていないけれど、履歴書を見れば分かってしまう。

 序盤には圭子(YOU)がマッチングアプリに登録しようとしたが、年齢で弾かれたというエピソードもあった。恋愛も年齢で制限を勝手に作られてしまう。

 年齢なんて気にしなくていいと言うけれど、いろんなところに年齢で制限を作られてしまうのだから逃げられない。何歳になっても働きたい人は働きたいし、恋だってしたい。

 年齢に関する問題はさまざまなところであって、誰しもが一度は経験することだから今回の案件は刺さる人も多かったのではないだろうか。

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