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清水尋也の異質な存在感

『海に眠るダイヤモンド』第6話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』第6話 ©TBSスパークル/TBS

 賢将を演じる清水尋也について語り足りないので、彼に話を戻そう。ひょろりと高い背、切れ長の目、ミステリアスな雰囲気。圧倒的な弱者と強者、両極端のふり幅を行き来できる唯一無二の存在感を持っている。

 いくら普通に振舞っても浮いてしまう、そんなたたずまいが、物語を大きく動かすのである。私は最近、配信で佐藤二朗主演の映画『さがす』(2022)を観たが、あのエキセントリックな佐藤と対峙して引けを取らない孤独さと不気味さを醸し出し、とんでもない役者だとおののいた。

 今回、彼が演じる賢将は、素直で理知的でやさしい、いわば普通の青年だ。それを自然と魅せてはいるが、やっぱりにじみ出るアウェー感。どんなに彼が心から島を愛し、どれだけ土にまみれても、染まれない。そんな賢将から、端島特有の一体感と閉塞感の表裏をひしひしと感じることができる。

 清水尋也はいい意味で、「流れを無意識で変えてしまう」ことを感じさせる顔。岸田森のような怪優になるかもしれない。

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