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本当にあった屋上農園

『海に眠るダイヤモンド』第6話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』第6話 ©TBSスパークル/TBS

 第5話で賢将が、ストライキによって、炭鉱長の父・辰雄(沢村一樹)に対して不満が高まるのに伴い、その息子というだけで炭鉱員から嫌われていく様は、どの時代も起こることは同じだと思わされる。

 第6話、一平(國村隼)が、辰雄を訪ねてきて言う言葉はしみじみと心に響く。

「俺たちはみんなバカだからよ、お互い顔が見えないと、相手を人間だと思えなくなっちまうんだよ。なんでこんなバカなんだろうな」

 顔が見えないと、大切なことを忘れて暴走してしまうのは、SNS時代の今、少し似ているのかもしれない。

 一平の言葉に辰雄が心を開いていき、実際に島民と交流を図るきっかけになるのが、朝子立案の屋上緑化である。実際に、軍艦島の歴史を調べると、日給社宅の屋上に「青空農園」が作られ、これは国内初の試みだったようだ。

 もともとの目的は、コンクリート製の人工島ゆえ、実際の畑や田んぼを知らない子供たちへの教育が目的だった。農園や田が作られたが、収穫量はおもわしくなかったようで、農園は早々に閉鎖されてしまう。しかし花壇は閉山まで存在し、島民を癒していたという。

 朝子も、鉄平と一緒にコスモスを植えたかっただろうに…。

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