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科学部の再出発

『宙わたる教室』 第9話 ©NHK
『宙わたる教室』 第9話 ©NHK

 物理準備室に入ってきた岳人は一目で殴られたとわかる痛々しい姿だった。科学部に手出しをしないことを条件に、孔太(仲野温)とケリをつけてきたという。「違う場所でも認め合うのが友だち」という岳人の言葉が、孔太にどれだけ響いたかはわからないが、どうか自分の人生を諦めずに歩いて行ってほしいと思う。

 傷だらけの岳人だが、前回のような弱々しい空気は一切まとっていない。それどころか、謝罪をする藤竹に「諦めたものを取り戻す場所なんじゃねーのかよ」と掴みかかる。これは紛れもなく、藤竹が岳人にかけた言葉。

 装置が破壊されたことで一度は諦めかけたが、岳人たちの心に燃える火は決して消えてはいなかった。「実験は、予想外の結果が出てからが本番だよ」と伊之瀬(長谷川初範)の心躍るような表情。諦めてしまっていたのは、むしろ藤竹のほうだったのかもしれない。

 育ってきた年代も環境も大きく異なる4人が、科学部として再出発を切る。必ずしも人は平等ではないかもしれないが、少なくとも、誰にでも学ぶ機会だけは与えられてほしい。

 そして、結果は学歴や立場に関係なく、正当に評価されるべきだ。実験結果をのぞき込む、嬉々とした科学部の面々の表情を見て、そんなことを感じた。

(文・あまのさき)

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