かつての問題児から覚醒

『光る君へ』第46話より ©NHK
『光る君へ』第46話より ©NHK

 今の隆家は貴族というより武士でかなり豪快な印象だが、まひろの事情を察して「大宰府にいたいだけおれ。いくら夫がいた場所が見たいからといって、おなごがこんなところまでやってくるのは何かわけがあるのであろう」と気遣う繊細さも。

 まひろと並ぶ周明(松下洸平)を「周明もすみにおけぬな」「お前も共に泊まるか?」と揶揄ったり、役人たちに誘われて快く舞に参加したりと、遊び心も備わっていて、なんて魅力的なんだろう。自分に合った場所を見つけるというのは大事なんだなあと思わされる。

 だけど、全くの別人になったわけではなく、竜星の演技にはここに至るまでしっかりと積み重ねがあって、どこかまだ発揮しきれていない輝きが感じられていたからこそ、隆家はつい目がいくキャラクターになっていた。

 周明もまひろと越前で別れた後、自分の居場所を見つけたようだ。自分を拾ってくれた朱仁聡(浩歌)に恩義を感じ、宋と日本の交易を結ぶために道長(柄本佑)と親しいまひろに近づいて命まで奪おうとした周明。

 しかし元来、彼は優しい人間でまひろのことを大切に思っていることは、演じる松下の眼差しや仕草から伝わってきた。過酷な人生を歩んできた周明だから、生きるのに必死だったのだろう。

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