祥吾(向井理)が家族に執着する理由
施設を出て、家族ができたと思ったのに必要とされなくなってしまった。この経験が、祥吾に家族への異常な執着を芽生えさせたのだろう。
いよいよ愛生と愁人が家を出て行こうかというときになって、祥吾は突如「愁人は僕が育てる」と言いはじめる。最初からそのつもりだったのかもしれないが、再会したときに愛生から「偽装死は最後に残った愛なのかもしれない」と言われたり、愁人が「パパの」と麦茶を入れてくれたりしたことも影響したのではないか。つけ入る隙を与えてしまった。
「無理よ」と食い下がる愛生に対し、祥吾は土下座までする。しかし、その表情は懇願といったものとは程遠い。背筋をいやな汗が流れる、歪んだ顔をしていた。
愛生は殴られ、拘束されてしまう。柚留木に助けを求めるために電話を鳴らすが、会話もできぬまま電池が切れてしまった。
すぐにかけ直しても繋がらなくなった電話を不審に思った柚留木は、洸人を伴って愛生の家へ向かう。以前作っていた合鍵で、洸人が家のなかへ入ると、そこにはいないはずの祥吾がいた。
愛生と愁人を迎えにきたと伝えるが、祥吾がそんなことを了承するはずもない。反対に、「あなたがどんな大層な人間かは知りませんが、何の覚悟があって言っているんですか?」と返されて、言葉を失ってしまう。威圧的な態度。思わず向井理を憎らしく思ってしまいそうになる。