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あのちゃん&大橋和也が見せた確かな演技力

『民王R』最終話©テレビ朝日
『民王R』最終話©テレビ朝日

 
 最終回、待ちかねた貝原茂平(高橋一生)も合流。へんてこりんな呪具を手に入れて…。まったく効果を発揮せず、結局ドSな性格を武器に人工知能を手なずけてしまったのも最高だ。

 しかし、高橋一生のあの低い声と冷ややかなまなざしの威力はどうだ。貝原の出番は2話に1度の頻度で、出演時間もほんの少しだった。それでも視聴者は彼に絶大な信頼を置き、待ち続けた。あのイケボとポーカーフェイスで、泰山を救ってくれる、と!

 最終回、姿は見えずとも彼の声が響いただけで「大丈夫。もう大丈夫だ!」とホッとしたもの。

 また、これから様々なドラマで活躍するだろう若手俳優の、とても楽しい未来予想図も見えたのも収穫だ。放送前、「未知数すぎる!」と不安に思っていた、あのも大橋和也も、泰山チームに馴染んでいた。それどころか、彼らの瑞々しい存在感とナチュラルな演技をもっと見たいとさえ思っている。

 大橋和也演じる田中丸、マルちゃんは、最終回知らぬ間に泰山たちを裏切ってしまう役だったが、ふんわりとした「善」を放ち、エキセントリックな展開を和らげていた。彼の子どものような笑顔と、かすれた声のバランスはストーリーに陽をもたらす。

 どう転んでも、ちゃんとこちら側に戻ってくれるだろう、絶対的安心感。個人的にではあるが、伊藤沙莉と似ていると思った。彼が出演する映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(2024年12月13日公開)も楽しみ。劇場に行こうと思う。

 あのは、何もやる気がない、気に入らなければまるごと投げ出しそう…。バラエティー番組で沁みついていた彼女に対するそんなイメージが、一回一回、観るごとに剥がれていった。冴島の演技がクセになり、おかげで、amazonプライムビデオで配信中の『【推しの子】』実写版までチェックするほどになっている。

 そして、公安の新人、猫田役の山時聡真は、もはや親戚のおばさんの眼差しで、彼の成長を見続けた。最後は新田⤴さんに「キャット」と呼ばれて、こちらまで涙目になった。よかったね、キャット!

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