現在の亮子(趣里)に通ずる粒来スタイル
粒来はなぜ12年も姿をくらましていたのか。その謎を解くための序章とも言える第9話だったが、そのとっかかりとして粒来が一体どんな弁護士なのかということがよく分かった。
ただ、愚直に真実を追い求めるのではなく、自分が有利になるようにストーリーを作り上げる。真実はどうでもいい。裁判に勝つことが重要。裁判=ゲームを楽しみながら仕事をしている様子がよく分かる。
そして、亮子の弁護士としてのスタイルが粒来に由来しているのも明らかだ。きっと、行方をくらますまでは、粒来はずっと亮子のそばにいたのだろうし、粒来にくっついて大草圭子法律事務所に来ていた亮子は、7歳にして六法全書を愛読していた。粒来の仕事する姿を見ているうちに、自然とそのノウハウが亮子の中に貯まっていったはず。
普通の父と娘より、ずっと距離が近い親子関係だったように感じるのだけれど、だからこそ、どうして亮子を置いていったのか、余計に不思議だ。亮子は、亮子で父がいなくなったことをどう感じていたのだろうか、寂しくなったのだろうかと考えてしまう。