美羽が本当に守りたかったもの
子どものことを打ち明ける機会はあったものの、冬月には何も話さなかった美羽。自分だけが何も知らない現状をみて、冬月は美羽がすべてを1人で背負おうとしていることを察する。
安易に救いの手を差し伸べてしまえば美羽の邪魔になりかねないし、かえって美羽を苦しめることになる。何かをすることよりも、“何もしないこと”こそが自分にできる美羽を幸せにする方法なのだと、冬月は気づく。
「今の家庭を大切にしたい」美羽の本心を冬月から聞いた宏樹は、美羽と向き合おうとする。栞を抱いたまま海に入ろうとしていたことを話し、彼女が守ろうとしていたものは何だったのかを知ろうとする。
冬月への気持ちはありつつも、美羽が本当に守りたかったのは宏樹の栞への愛情だった。冬月のことを話してしまったら、栞への愛情が変わってしまうのではないかと懸念していたのだ。
妊娠中に冬月死亡のニュースを見たこと、栞を生んでから彼が生きていることを知ったこと…。妊娠中から出産後の経緯を伝えながらも、少し引っかかるのはそもそもの原因ともいえる宏樹のハラスメントに触れなかったこと。
「自分に甘かった」「間違ったことをした」という思いばかりが先行していて、本当の意味で宏樹と向き合えているのかと聞かれれば、少し疑問が残るところだ。