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想像力を掻き立てる意味深なラストとは? 大河ドラマ『光る君へ』終了でSNSが悲しみの声で溢れる…最終回解説レビュー

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。本作は、平安時代中期を舞台に、「源氏物語」を執筆したことで知られる女流作家・紫式部の波瀾万丈の人生を描く。今回は最終話の内容を振り返る。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

「嵐が来るわ」というセリフを残し、不穏なシーンで幕を閉じる

『光る君へ』最終話より ©NHK
『光る君へ』最終話より ©NHK

 倫子(黒木華)から、道長(柄本佑)との関係について問われたまひろ(吉高由里子)は、これまでの人生で2人の間に起こったことを打ち明ける。まひろの話を聞いた倫子は、ショックを受けながらも「このことは死ぬまで胸にしまったままで生きてください」と気丈に言うのだった。

 その後、床に伏せる道長のために、倫子は再度、まひろを呼び出し、「どうか殿の魂を繋ぎ止めて欲しい」と頼む。

 まひろは日々弱っていく道長に物語を聞かせ「続きはまた明日」と言い、道長の命をつなごうとするも、ついに道長は生涯の幕を閉じた。

 道長が亡くなった後、まひろは自身が書き上げた歌集「紫式部集」を残し、乙丸(矢部太郎)を連れて、再び旅に出るのだった…。

 ついに最終回を迎えた『光る君へ』。吉高由里子、柄本佑ら、実力派キャスト陣による見応えのある演技に加え、じっくりと魅せる脚本も味わい深く、多くの視聴者が虜となった。

 最終回放送後、Xは多くの視聴者による感想で溢れかえっている。

「まひろと倫子のシーンで倫子の器の大きさを感じまひろと道長のシーンで泣き最後までとてもよかった」「終わってみれば倫子さまの胆力のずば抜け方に平伏している。」「ドンパチのほとんどない大河の中で、終盤の見せ場を持って行った竜星涼さん。かっこよかった! 後半になるにつれ、どんどんいい顔になっていく隆家から目が離せませんでした」など、キャストの活躍を讃える投稿が目立つ。

 また、『光る君へ』の放送を毎週楽しみにしていた視聴者による最終回を惜しむ声も見られた。

「光る君へ最終回お疲れ様でしたー!!」「終わっちゃった…面白かったな…」「あの終わり方の余韻だろうな、素敵な最後だった」など、ロス現象に悲しみの声が飛び交っていた。

 紫式部の人生と「源氏物語」にオリジナルの解釈を加え、壮大な人間ドラマを繰り広げた『光る君へ』。従来の大河ドラマのように派手な演出はないが、その分物語を細部まで掘り下げた構成に心を掴まれる視聴者が後を絶たなかった。

 まひろが「嵐が来るわ」というセリフを残し、不穏なシーンで幕を閉じたが、「物語の先に」と題した最終回のタイトルと相まって、想像力を掻き立てられるラストシーンとなった。

(文・野原まりこ)

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