ここでハッピーエンドにも出来たのに…最終話に残された柳楽優弥”洸人”の問題とは?『ライオンの隠れ家』第10話考察レビュー
text by あまのさき
ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)が放送中。本作は、主演の柳楽優弥&坂東龍汰演じる兄弟の前に、謎の少年「ライオン」が現れたことで、2人の生活が一変していくことになる。家族愛や兄弟愛の変化を描く愛と絆の物語だ。今回は、第10話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
愁人(佐藤大空)を追う洸人(柳楽優弥)
愛生(尾野真千子)と愁人(佐藤大空)を救い出せなかったことで気落ちしている洸人(柳楽優弥)。その様子を見ていた美路人(坂東龍汰)は、船木(平井まさあき)が立ち上げるアートグループホームのプレ体験に行くと言い出した。自分が挑戦することで、洸人の背中を押そう、ということらしい。
洸人は柚留木(岡山天音)に連絡を取り、愁人が持っているライオンのぬいぐるみに仕掛けられた発信機と盗聴器から様子を探った。すると、愁人と祥吾(向井理)がどこかへ移動しているものの、そばに愛生がいないらしいことが明らかになる。
洸人は工藤(桜井ユキ)と合流して愁人を追うことに。洸人が追いつくと、嫌がる愁人を連れて行こうとする祥吾の姿があった。助けに入った洸人は、殴られても食い下がらない。そんな洸人に対して祥吾は、家族のために生きてきたこと、そのために何だってやってきたことを訴える。
これはきっと、亀ヶ谷(岩谷健司)や樺島(後藤剛範)との関係を指すのだろう。橘の人間でありながら平社員だった祥吾は、もしかしたら、家族にもっと楽をさせたいという一心で悪事に手を染めてしまったのかもしれない。
ところが、その“家族のため”という言葉が、祥吾に呪いをかける。自分の言うとおりにしていることが幸せなのだから、と言わんばかりに、愛生たちを縛り付けるようになってしまった。