愛情を歪ませてしまった祥吾(向井理)
洸人は祥吾に「僕も同じ間違いをしているのかもしれません」と伝えたうえで、「あなたにも純粋に愛してきたときがあったんじゃないですか?」と問いかける。以前、柚留木も言っていたように、洸人の美路人に対する対応が、祥吾と同じだとは思わない。ただ、これが洸人のなかではずっと引っかかっているようだ。
祥吾は、過酷な人生を生きてきた人だった。幼いときに過ごしていた養護施設も現在は潰れ、養子になった橘家にも、樺島の一件で本格的に居場所がなくなった。そしてそのことで、亀ヶ谷からも見切りをつけられようとしている。
ずっとずっと自分の居場所を求めてきた祥吾。それが次第に、家族への愛情を歪ませてしまった。最初はささやかな掛け違いだったはずなのに、予想だにしないところまできてしまったと、祥吾自身が1番強く思っているんじゃないだろうか。
「あなたも本当は気付いているんでしょ?」と言われた祥吾は、立ち尽くし、静かに目に涙を溜めていた。洸人の言葉で呪いが解けたみたいに見えた。洸人と別れ、監禁されていた愛生を救うために橘家へ向かった柚留木からの通報で、祥吾のもとへ警察がやって来る。
決して許されないことをした。それは間違いない。ただ、亀ヶ谷から「知り過ぎている」と言われた手前、祥吾の身も安全とは言えない。どうか無事に生き延びて立ち直り、幸せを感じられる人生を送ってほしい。