ホーム » 投稿 » ドラマ » 場を和ませる吉川愛の唯一無二の存在感とは? 『マイダイアリー』第8話解説レビュー。一方、繊細な芝居が光る男性キャストは?

場を和ませる吉川愛の唯一無二の存在感とは? 『マイダイアリー』第8話解説レビュー。一方、繊細な芝居が光る男性キャストは?

text by 西田梨紗

毎週日曜夜10時より放送中のドラマ『マイダイアリー』。本作は、清原果耶が演じる、社会人になった主人公・恩村優希が、大学時代を振り返り、何気ない日常や仲間との繋がりをノスタルジックに紡いでいくヒューマンドラマ。さっそく、第8話のレビューをお届けする。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

——————————

【著者プロフィール:西田梨紗】

アメリカ文学を研究。文学研究をきっかけに、連ドラや大河ドラマの考察記事を執筆している。社会派ドラマの考察が得意。物心ついた頃から天海祐希さんと黒木瞳さんのファン。

第8話では「心の距離」がテーマに

『マイダイアリー』第8話 ©ABCテレビ
『マイダイアリー』第8話 ©ABCテレビ

 大切な人が自分の存在を理由に進むべき道をあきらめてしまうのは悲しいことだ。天才と呼ばれる人を好きになったら、相手の将来のために身を引くべきなのか、それとも相手のそばに自分の思いに従って居続けるべきなのか答えを出すことはできない。『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第8話では社会人になった優希(清原果耶)と大学で研究している広海(佐野勇斗)の「心の距離」がテーマになっていた。

 人生の歩幅が違う人といられるのは、相手が立ち止まっているときだけなのか。大人になったら学生時代の友人が集まるのに“口実”が必要になることは珍しくない。学生の頃は毎日のように顔を合わせ、些細な出来事も共有し合い、くだらないことで笑いあっていたはずなのに。

 人は環境の変化とともに、人間関係も変わることが多い。お互いの世界が拓ければ、ベストパートナーだと信じている人が自分が知らない世界で別のだれかと心が通じ合っているのではないかと思うこともある。

 授賞式の後、優希は広海がアメリカ時代の大学の同級生である楓(影山優佳)と会話している姿を見かける。楓は広海と同様に数学の才能に長けており、問題を自作し、広海に見せるなど分かり合えるところがあるようだ。また、優希は楓が広海にアメリカの大学進学を辞退したことを問う場面を偶然にも見かけてしまった。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!