包み紙とリボンじゃない
一方、優希は虎之助ら3人に広海と友達に戻ったという意味で握手したことを報告するが、かれらは優希と広海が自分の気持ちをごまかしていることを察する。優希は「私は包み紙とリボンだから。役目を終えたら捨てていいものだから」と、広海に話したのと同じことを3人の前でも言う。彼女は自分が広海にアメリカの大学に落ちたと嘘をつかせたこと、楓(影山優佳)のように自作の問題で楽しませてあげられないことを気にし、自己嫌悪に陥っていた。
愛莉が優しく注意をしたように、自分について包み紙とリボンであると下げるような言い方をするのは、自分にも相手にも失礼だ。とはいっても、“私なんか”と思ってしまうことはある。あるいは、自分を包み紙とリボンにしてしまうことで、相手から離れる口実をつくっているのかもしれない。大切だけど、相手を幸せにできないという罪悪感からの解放や、大切な人のいつかの成功を願って。
相手が自分を思っている以上に大切に思ってくれていることは意外とあるものだ。相手が自分を大切にしてくれる思いに優希のように優しさや自信のなさから背いてしまうことはあるが、それではお互いに幸せになれない。そもそも、相手との歩幅は才能や将来性で決まるものではない。そうであっても、相手が大切だからこそ離れるという決心が正しいわけではないことに自分では気づきにくい。だからこそ、虎之助、愛莉、まひろが優希と広海にしたように、周囲の優しい後押しやサポートが必要なのだ。