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あまりにも美しいプロポーズ

『海に眠るダイヤモンド』第6話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』第6話 ©TBSスパークル/TBS

 第6話の賢将とのプロポーズシーンも語らずにはいられない場面だろう。幼馴染、そして“フリーダム”なカップルを経て本当の夫婦になった彼女たちは、あまりにも美しかった。

 後遺症の影に怯え、恋愛、結婚から距離を置く決意を貫いてきた百合子に「結婚」という言葉ではなく、「これからも付き合ってよ、俺の人生 俺も百合子の人生に付き合うから」と寄り添う賢将。そして、百合子の涙ながらの「私の人生、手強いわよ」。

 恋愛だけでは括れない、2人のお互いを慮る愛の大きさ、賢将の底なしの優しさ、百合子のここに至るまでの歩みと周りを浄化するほどの聡明さが詰め込まれていて、目を潤ませずにはいられない。

 第8話では、彼女たちが子宝に恵まれ、子どもたちがその先も元気に、健やかに生きたことが判明する。百合子も幸せに生きられたのだと、彼女の幸せが自分のことのように嬉しい。

 百合子を演じる土屋をみて、「土屋太鳳をもっと好きになった」という声が相次いでいる。「美人で気の強いお嬢様」という人物像がありつつも、百合子がどこか悲しく、不器用で、憎めないキャラクターとして受け入れられたのは、土屋が彼女の感情を多角的に捉え、ひたむきに演じたからこそ。百合子が本当に存在しているかのように思えてしまうのは、土屋が百合子を本気で生きているからなのだろう。

 物語は、今週ついに最終話を迎える。百合子をはじめ、鉄平、朝子、賢将、リナたちの行く末、そして現代のいづみ(宮本信子)、玲央(神木隆之介)が辿り着く先とは──。土屋太鳳の演技を味わい尽くしながら、端島と現代を生きる彼ら、彼女たちの人生を、最後まで見届けたい。

(文・西本沙織)

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【了】

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