ホーム » 投稿 » ドラマ » あの前原瑞樹が端役で終わるはずがなかった…鉄平の日記が黒塗りされた理由とは?『海に眠るダイヤモンド』第8話考察レビュー » Page 2

どんな暗闇からも人々が見出そうとする“希望”

『海に眠るダイヤモンド』第8話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』第8話 ©TBSスパークル/TBS

 一平(國村隼)も長年の無理がたたって病床に伏してしまう。家族の前では気丈に振る舞っているが、1人になると耐えきれずに涙を流すハル(中嶋朋子)。

 つい数ヶ月前、進平とリナ(池田エライザ)の息子・誠の1歳の祝いで「この歳になってこんな幸せがあるなんて」と目に涙を浮かべていた彼女の姿が思い起こされる。同じ涙でも全く意味が違い、胸が張り裂けそうになった。

 そんな中で、鷹羽工業は未開発の石炭の層がある新区域の開発を進めていた。状況が状況だけに表立って交際できない鉄平と朝子(杉咲花)だが、「端島が復活したら“必ず”」と結婚の約束を交わす。

 人生には折につけて、生きていることが虚しくなるような出来事が起きる。鉄平だって、戦争で家族が犠牲になり、唯一の兄弟だった進平を亡くし、生きる糧も奪われ、何度も心が折れそうになったに違いない。

 それでも幾度となく立ち上がってきた鉄平の生き様は、死んでいるように生きていた玲央(神木隆之介)にも影響を与え、彼は先輩ホストのミカエル(内藤秀一郎)に貢がされているアイリ(安斉星来)を救い出す。

「俺、もっとこう、思いっきり笑って、誰かのために泣いたり、幸せになってほしいって祈ったり。石炭が出てほしいって心の底から願ってみたいんですよ。ダイヤモンド…俺もダイヤモンドがほしい」

 本作のタイトルにある“ダイヤモンド”は、地底の底の底で掘り起こされる石炭のように、どんな暗闇からも人々が見出そうとする“希望”を意味するのだろう。

1 2 3 4
error: Content is protected !!