サブタイトルの“あなた”が表す藍里の複雑な心境
改めて今回のサブタイトルは「瞳の中のあなた」。
憎むべき相手に対しては“あなた”という表現は使わず“あいつ”という表現が適当であるが、自分が知る優しい野瀬を信じたいが、それでも瞳の中に残っている野瀬は間違いなく悪人であり恨んでいた相手でもある。
そんな藍里の複雑な心境を“あなた”という表現に凝縮されている。
『相棒』で視覚障害者が登場するのは実は今回で3度目だ。
1度目はS15「パスワード」、2度目はS18「右京の目」である。
こちらも今回に負けず劣らずの傑作であるが、『相棒』は彼等に限らずハンディキャップのあるマイノリティを描くのが上手い。それはマイノリティを弱い存在やマジョリティを憎む存在にするのではなく、等身大の人間と定義した上で強さや弱さを描いているからである。
脚本家の川崎氏曰く、藍里の名前は“eye”と“愛”から名付けているという事でそれを踏まえて視聴するとより一層感慨深くなる。
(文・Naoki)
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