『海に眠るダイヤモンド』は何を描こうとしているのか? 東京パートでまだ描かれていないものとは?徹底考察&解説
text by 明日菜子
神木隆之介主演の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)が、22日についに最終回を迎える。昭和の長崎・端島と令和の現代を繋ぐこの壮大な物語は、何を描こうとしているのか? 今回は、来る最終回に備え、改めて本作の魅力を徹底解説する。(文・明日菜子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:明日菜子】
視聴ドラマは毎クール25本以上のドラマウォッチャー。文春オンライン、Real Sound、マイナビウーマンなどに寄稿。映画ナタリーの座談会企画にも参加。
『海に眠るダイヤモンド』は何を描こうとしているのか?
「人生、変えたくないか?」
『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)がいよいよ最終回を迎える。野木亜紀子が手がける脚本は、毎回どこを切り取っても名場面になり得る素晴らしいシーンの連続だが、ここにきて反芻するのは、鉄平(神木隆之介)が端島を出ていこうとしたリナ(池田エライザ)に投げかけた第1話のセリフだ。
長崎の大学を卒業した後、そのまま島の外で働く選択肢もあったが、地元・端島に戻り、鷹羽鉱業の職員として島を支える道を選んだ。その選択を保守的と捉える人もいるだろう。それでも鉄平は、端島に根を張り、端島で生きる道を選んだ。
だが最終回直前で、夫・進平(斎藤工)が不慮の事故で亡くなり、まだ赤ん坊の誠を抱えるリナと鉄平が、端島を出たことが明らかになった。その展開を予感させるかのように、朝子(杉咲花)への恋心を自覚したキッカケとなったガラス瓶には、いつしか花が飾られなくなっていた。
令和に生きるホスト・玲央(神木隆之介)が読んでいる鉄平の日記の終盤は、リナのことばかりが綴られているという。鉄平の人生は一体どこに向かったのか。