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“男子ノリ”が嫌味のないシーンになったワケ

『光る君へ』第7話より ©NHK
『光る君へ』第7話より ©NHK

 柄本佑演じる道長や、毎熊克哉が演じた直秀以外にも、本作には魅力的な男性キャストがこじって出演し、各々のキャラクターを光り輝かせた。 

 第7話「おかしきことこそ」における道長、直秀、公任(町田啓太)、斉信(金田哲)らが参加した打毬(だきゅう)の試合シーンは乙女心をくすぐった。

 少女漫画において“白馬に乗った王子さま”の登場はありがちだが、本作ではクールビューティーな男たちが馬に乗り、試合に挑んでいた。イケメン男子たちがスポーツに励む姿は眼福であった。

 さらに、この回には「源氏物語」における雨夜の品定めから着想を得ていると話題になったシーンがある。打毬の試合に出場したメンバーらが試合後に着替えるシーンである。このシーンは、まるで男子校の部室の一幕を垣間見ているようだった。

 また、公任と斉信が姫たちを品定めするシーンにおける彼らの発言は特に話題となった。

 ふたりはまひろを「地味でつまらない」と批判し、倫子(黒木華)についても「もったりしていて好みではない」と言い放つ。女性に対する若き男たちの失礼な物言いに老婆心から注意したくもなるが、年頃の男子らしい会話を楽しむ彼らをあたたかく見守りたくもなった。

 このシーンが結果的に嫌味のないシーンになったのは、斉信を演じた金田哲と公任を演じた町田啓太の自然体の芝居と、持って生まれた柔和な雰囲気の賜物であると言っていいだろう。 

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