気づけば小森洸人の虜に…。
一方で、柳楽はただ優しさが漏れ出るだけの兄を演じていたわけではない。時に弟のみっくん(美路人)を少しめんどくさそうに感じる瞬間もあり、模範的な兄でいながらも、いろいろなことを諦めざるを得なかったという背景を想像させる。だからこそ、最終回を前に突如姿を消した洸人が何を考えていて、どう動くのか注目が集まっていた。
迎えた20日放送の最終回で、洸人は自身の夢に再び向かうことを決断。東京の大学に再入学することはみっくんと離れることを意味する。
しかし、別れの悲しみよりも前に向かう温かさを感じることができたのは、柳楽の笑顔の影響だろうか。今までは笑っていてもどこか遠慮がちに「クスッ」という表情にとどまっていたが、最終回での約1時間では顔をクシャッとさせる柔らかい笑顔が何度も見られ、思わずこちらも頬を緩ませてしまう。
人が笑っていれば当然ポジティブな印象を受けるものだが、これまでの10話で柳楽が洸人のしんどさや難しさをあますことなく表現してきたからこそ、その効果が何倍にも膨れ上がっているように感じた。
これまでの柳楽優弥のイメージを完璧に覆され、気づけば小森洸人の虜となった2024年秋クール。次に柳楽は我々にどのような衝撃をもたらしてくれるのか、楽しみに待ちたい。
(文・まっつ)
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