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小森家のプライド

『ライオンの隠れ家』最終話©TBS
『ライオンの隠れ家』最終話©TBS

 洸人は招待された貞本(岡崎体育)の結婚10周年パーティーで、急遽コメントを求められる。家族を大切にしている貞本の話をした後で、洸人は美路人への気持ちを吐露する。

 いままで自閉スペクトラム症を持つ弟のことをあまり話さないようにしていたが、美路人の優しいところも、絵も、大好きであること。美路人のおかげで乗り越えられたものがあること。そして、美路人は自慢の家族であること。

 温かい拍手に包まれる会場で、美路人は洸人のことを見つめる。涙をこらえているように見えるその目には、喜びと、それを上回る安堵、そしてなにかを思案する様子が感じられた。

 その後美路人は、1度は完成した海岸沿いの壁面の3頭のライオンの絵に、ウミネコを描き足す。洸人と、愁人も1羽ずつ描き足した。プライドをつくって暮らすライオンに、飛びたいところを自由に飛べるウミネコが舞う。

 それはそのまま、どこに行くのも自由で、だけど自分たちは仲間であるという美路人からの応援のメッセージのようだ。あの日、洸人と愛生が話していたのを部屋でこっそり聞いていたときからずっと考えていたのだろうと思うと、「離れていても同じプライドの仲間です」と言いながら頬を伝う涙をすっと拭う美路人の優しさが胸に沁みた。これが、小森家のプライドだ。

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