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鉄平(神木隆之介)にとっての“最善”

『海に眠るダイヤモンド』最終話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』最終話 ©TBSスパークル/TBS

 その頃、鉄平は誠を攫った男(三浦誠己)のもとへ向かっていた。男は進平が殺した小鉄、改め門野鉄(若林時英)の兄貴分で復讐を果たしにきたのだ。目の前で誠が命の危機に晒され、小鉄を殺したのは自分だと嘘をついた鉄平。

 男の子分たちが襲い来る中、隙をついて誠を助け出した鉄平は、そのまま船に飛び乗り、リナと誠の3人で端島を去る。それは、その時、鉄平が咄嗟に選んだ“最善”の道だった。

 自分にとっての“最善”が、他の誰かにとっても“最善”とは限らない。リナがなぜヤクザに追われていたのか、それは最後まで明らかにされなかった。だけど、人生の瞬間ごとに彼女なりの“最善”を尽くした結果、最終的に端島に流れ着くことになったのだろう。

 そんなリナを守るため、進平は小鉄を殺し、婚姻届も誠の出生届も出さなかった。それが彼にとっての“最善”だったのだ。

 だけど、結果的にリナと進平の選択は結ばれるはずだった鉄平と朝子の仲を引き裂いた。その罪を償いたくていづみの役に立とうと秘書になったが、いざ知られると思うと怖くなって日記を隠した澤田。そんな彼に、いづみは「進平兄ちゃんと、リナさんと、誠。あなたたちがいたから、この家族に会えた」と伝える。

 鉄平が島を去った後、朝子は食堂で働いていた虎次郎(前原瑞樹)と結婚した。玲央(神木)が見せてもらった家族アルバムに写る朝子は虎次郎に愛され、子宝にも恵まれ、賢将(清水尋也)や百合子(土屋太鳳)とも家族ぐるみの付き合いがあり、幸せだったことが伝わってくる。

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