ホーム » 投稿 » ドラマ » ドラマを象徴する意外な人物のセリフとは? 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』の玲央のオチが秀逸だったワケ。最終話考察 » Page 3

すべてを知ったいづみ(宮本信子)が再び長崎へ

『海に眠るダイヤモンド』最終話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』最終話 ©TBSスパークル/TBS

 鹿乃子(美保純)や数馬(尾美としのり)とは会社の方針を巡ってぶつかることもあったが、2人とも真実を知ったいづみのやり切れなさに思いを馳せてくれる根は優しい子たちだ。玲央とともに鉄平の現在の手がかりを探ってくれている孫の星也(豆原一成)や千景(片岡凜)にも会えた。結果論かもしれないが、それはリナと進平の選択がもたらしてくれたもの。

 その裏で、朝子の幸せを守り続けた人間もいる。リナは島を出た後、誠とともにハル(中嶋朋子)の実家へ移り住み、3人で暮らし始めた。だが、鉄平は長崎警察に相談するも相手にされず、以降も長きに渡ってヤクザに追われることとなる。

 そのため、1つの場所には定住せず、全国各地を転々としていた鉄平。当初は朝子に「待っていてほしい」と手紙を出そうとしていたが、自分といれば、不安定な生活を強いることになる上に危険な目に遭わせる可能性もあったため、破り捨てた。

 もう会えない朝子の幸せを願いながら、その間もプロポーズの時に渡そうとしていたギヤマンの花瓶を後生大事にしていた鉄平を思うと胸が苦しい。

 鉄平自身が秘密を貫くために一部を切り取り、黒く塗り潰した日記が賢将の手から息子の孝明(滝藤賢一)へ、そしていづみの手に渡って誤解が解けたことはせめてもの救いだ。すべてを知ったいづみは再び玲央とともに長崎を訪れ、端島に上陸する。

 ギヤマンの花瓶は、鉄平が朝子と暮らすはずだった集合住宅の上階にそっと置かれていた。いづみはそれを手にすることはおろか、一目見ることも叶わなかったけれど、代わりに鉄平が遺した別の“ダイヤモンド”に出会う。

1 2 3 4
error: Content is protected !!