『ライオンの隠れ家』が伝えた“選択”の意義
他にもエンディングのスタッフロールの演出や、主題歌と作品の親和性、貞本(岡崎体育)親子、似すぎ! などいくつも魅力はある。ただ並べても親父の居酒屋政談のごとく、とりとめのないものになりそうなので、このへんで。
あらためて『ライオンの隠れ家』とは、何を言いたかったのかを考えると、私の解釈としては“選択”の意義だ。人は日々、大なり小なり、選択を迫られて生きる。今夜の食事のメニューや、老後の問題。選ぶために人は生きているようなものだ。そしてその都度、自分で選ぶことをなんとか避けようして、いつの間にか他力にすがっている。
洸人は美路人に依存していた自分に気づいて、大学と新しい仕事を選んだ。美路人は必要性を感じて家を出ることを決めた。さて私は、あなたは、今日なにを選ぶのだろうか。
「思い切ってどーんと、飛び込んじゃえばいいんですよ!」
最終回で工藤楓(桜井ユキ)の言ったひと言に、その答えが詰まっている。
(文・小林久乃)
※『ライオンの隠れ家』(TBS系)はNetflix、U-NEXTにて配信中
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