岡山天音の繊細な表情作り
実は、キャストの過去の出演作が感動がより後押ししたシーンが他にもある。
第10話で、愛生は自身と愁人の逃亡を手助けしてくれた柚留木(岡山天音)が、かつて父親からの暴力から逃れるために母親と一緒にシェルターや施設を渡り歩いていたという過去を、工藤楓(桜井ユキ)から聞かされる。
その後、柚留木と対面した愛生は、「私、しばらく弟達の家にお世話になることになった」と近況報告。「あの家にいると思う。だからさ、気が向いたら、ふらっと帰っておいでよ」と柚留木を誘う。「『帰る』って、家族じゃないんですから」と苦笑いを浮かべる柚留木を愛生がそっと抱きしめる。すると柚留木は徐々に目元を潤ませながらも必死に涙を堪えた。
中学生の時に過労で母親を亡くし、孤独に生き続けてきた柚留木。愛生から家族として扱われ、さらには抱きしめられて人の温もりに触れたことで、これまで背負ってきたものから解放されたのだろう。ワンワン泣くでも、涙をじっと我慢するでもない岡山の繊細な表情作りが、視聴者の情緒をかき乱した。