地上波放送とは思えないセリフも?
『モンスター』ではどの事件に対しても皮肉が効いているな、と思うのだけれど(個人的にはそこがとても好き)、今回は痛烈だった。
亮子と杉浦(ジェシー)が住民説明会を開いたり、さくら(前田敦子)と拓未(前原滉)がビラ配りなどの活動をはじめるも、住民たちには響かない。
「帝東電機みたいな大きい会社がそんなことをするはずがない。サカミクリーンは反社だから、悪いのはサカミクリーン!」
「帝東電機が悪いことをやっているのなら、どうしてテレビでやらないんだ? 問題があるならテレビでやるはずだ!」
そう言って、亮子たちの言い分を聞き入れない。
確かに、突然やってきた亮子たちのことは信用できないだろう。しばらく村を離れていたさくらの意見も聞き入れづらいであろうことは分か る。
が、テレビの言うことは正しい、と信じ切っている人が一定層いるということはなかなかの危うさを感じられる。それを地上波のドラマで指摘しているのだからすごい。
何も、「テレビの言うことを鵜呑みにするな」と言っているわけではない。どんな事柄に対しても自分で考えてみてはどうか、という提案のようにも思える。
こういったリーガルものでは、最終回は巨悪の敵と戦い、勝利を得てエンディング…というのがベターな気もするけれど、意外にも『モンスター』はあっさりとした幕引きだった。
帝東電機側は分が悪くなると、あっさりと和解へと切り替えた。長引かせて良いことはない、ということだろう。