圧倒的な愛の表現
杉咲花
炭鉱員たちの憩いの場・銀座食堂の看板娘として働く朝子を演じた杉咲花。記憶障害の脳外科医を演じたドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)での好演が記憶に新しいが、『海に眠るダイヤモンド』の朝子もまた杉咲花の代表作の一つになったと言っても過言ではないだろう。
杉咲花の凄さは「愛の伝え方」だ。恋愛要素のあるドラマや映画では欠かせないキス。しかし、杉咲花はキスシーンがひとつもなくとも最愛の相手に対する想いを、その目で、その言葉で、その表情だけで、杉咲花は圧倒的な愛を視聴者の心に響き渡らせる。
特に6話、噛んだり、言い淀んだりしながらたどたどしく言葉を紡ぐ鉄平と、台本読まずにカメラ回してんのか…?と思ってしまうほど「初見」の相槌を打つ杉咲花。
あえて、今時の言葉にするのなら「ガチ恋」。見ているこっちが叫びたくなるような二人の「じれったさ」は、もはや現実と言っても過言ではない。
前述したドラマ『アンメット』伝説の9話の長回しを彷彿とさせる、『海に眠るダイヤモンド』屈指の名シーンだ。