『相棒』にしては珍しい群像劇方式と華麗なる伏線回収
今回の見所は3つ。
1つ目は『相棒』にしては珍しい群像劇方式だった事だ。
テレビ局で巻き起こる誘拐からの脅迫事件に関わる右京と陣川。喫茶店で発生する拳銃取引事件に関わる芹沢と角田。澤田宅で発生した爆弾事件に関わる亀山と伊丹と益子。
過去に暴行事件を起こした伊地知と近い峯秋と社と衣笠。妊婦の出産に立ち会う出雲。これらが繋がりながら全て丁寧に描かれている。
基本的に『相棒』は特命係とゲストがメインの為、サブキャラクターは充実しているが群像劇の形式をもつエピソードはなかった。
しかし今回の元日SPは2時間以上の尺を活かし特命係にも見せ場を作りながら、”相棒ワールド”を活かしきる構成となった。
1つの事件が解決すると別の事件に繋がり、それが徐々に集約され、1つの形をとる。その上、伏線をシリーズを通して馴染み深い曲の1つである「交響曲第9番」の演奏中に回収させるのは美しいという他に無い。