いつものレギュラー陣が全員活躍
3つ目の見どころは、レギュラー陣全員の活躍が漏れなく、無理なく描かれた点にある。
亀山は右京さながらの推理を見せ、伊丹もそれに追従。益子は鑑識スキルで爆弾の隠し場所を全て発見した。芹沢は伊丹不在時の捜査の指揮を取り、課長とも連携をしてみせる。
また、社は内調の情報から真犯人に気が付き、それを知った峯秋は特命係へ共有。陣川は桧山の妻を怪しむ警察官としての成長を見せながら、真犯人へと繋がる鍵を失恋という彼らしい方法で見つけ出した。
さらに、出雲は過去に付けられた銃痕から自分が恋愛に自信を持てないので、幸せになろうとしてる妊婦を全身全霊で支えた。おまけに衣笠は自身の権力の維持の為に全て明らかにされた伊地知を切り捨ててみせた。
もちろん今回も右京の推理は冴え渡っていたが、それ以上に桧山や伊地知の目論見の甘い正義を切って捨てるなど、何があってもブレない”絶対的に正義”を体現して、観る者を魅了した。
また、それ以外にも細かい点として、孫に好かれたい内村部長と中園参事官、娘に彼氏ができて心配する社、警察学校時代に恋していた澤田(旧姓:北村)に会って少しはしゃぐ伊丹とそれに気付く益子と気付かない亀山、相棒にプレゼントを渡して照れる右京…などなど元日SPだからこそ垣間見える、特命係の面々のプライベートな一面にも終始ニヤニヤさせられた。
これまでの元日SPでも「バベルの塔」「ピエロ」のような傑作があったが、今回の「最後の一日」はそれらに匹敵する出来栄えであった。
(文・Naoki)
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